

埼玉高速鉄道株式会社(さいたま市緑区 代表取締役社長 平野 邦彦)は、開業以来運行してきた2000系車両について、運行開始から25年が経過したことを踏まえ、今後も安全・安定・安心輸送を継続するため、保有する全10編成(60両)を対象とした大規模改修を実施します。
1.背景
当社車両基地は、日常の検修業務を主体として設計された設備であり、当社は車両改修を行う専用工場を保有しておりません。専用工場を持たない当社のような鉄道会社では一般的に外部の改修工場へ車両を搬出して施工する外注方式による改修となり、コストの増大や工期の長期化が避けられないことが想定されました。
2.改修方式の検討
検討に先立ち、他鉄道事業者における改修事例や一般的な技術的知見を踏まえるとともに、車体構体の状態を確認し、健全性が確保されていることを確認しました。
これらを踏まえ、改修範囲や施工方法を精査し、限られた施工エリアや設備条件の中でも安全性と効率性を両立でき、かつ、コストメリットのある改修手法について検討を重ねてまいりました。
3.当社の車両改修システムにおける工夫ポイント
検討の結果、当社の設備条件や事業規模を踏まえ、主要搭載機器の更新を主軸とする効率的な車両改修システムを構築しました。工期およびコストの最適化を図るため、以下の工夫を取り入れています。
(1) 改修にあたっては、対象となる機器や施工範囲を精査し、機能や役割が維持できるものについては更新対象から除外するなど、更新機器を必要最小限に抑えました。 (2) 施工方法は改修範囲を限定したことにより簡素化が図られ、当社車両基地の限られた設備条件の中で施工可能となり、車両回送を伴う外部工場への搬出が不要となりました。その結果、改修コストの大幅な低減や工程短縮を実現しました。
4.施工体制と効果
改修は、メトロ車両株式会社(※)の協力のもとで実施します。外注に全面的に依存しない施工体制を構築し、工程の集約および平準化を図ります。
また、本改修スキームについて当社が行った概算積算に基づく試算では、従来想定していた外部一括外注方式と比較して、現時点において改修コストは約2割、改修工期は約3割の縮減が見込まれております。
(※メトロ車両株式会社は東京地下鉄株式会社のグループ会社で、主に東京地下鉄株式会社保有車両の検査や工事を施工している法人です。)
5.今後について
本取り組みは、車両改修を行う専用工場を保有していない当社規模の鉄道会社においても、自社設備と専門パートナーの知見を組み合わせることで、効率的な車両大規模改修を実現できるモデルケースの一例になるものと考えております。
当社は本改修を通じて得られた知見を今後の事業運営に活かし、引き続き安全・安心・安定した鉄道輸送の確保と、持続可能な鉄道事業の推進に努めてまいります。
60両(10編成)
2027年度~2031年度
当社車両基地
2028年度から順次予定
メトロ車両株式会社